高反発マットレスの良し悪しの指標
Point
1.密度が30D以上で厚みが7cm以上あること
2.第三者機関検査の証明書があること
3.密度と厚みに応じた適正な価格であること
まず高反発マットレスに使われるウレタンの密度ですが、低ければ低いほどスカスカのウレタン芯材ということになります。スカスカのウレタンは、圧力がかかり続けると変形したまま戻らない(いわゆるヘタり)状態になりやすいのです。密度の計算式は「重量kg÷(横幅×縦幅×高さm)」で求められます。シングルサイズ(100×200cm)の厚み8cmのマットレスで重量が5kgだとすると「5kg÷(1×2×0.08m)」によって31.25Dという密度が出ます。
大抵のまともな高反発マットレスは計算しなくても密度の表記がなされていますが、更にカケンやBOKENといった第三者機関による試験証明書があれば安心できます。逆に密度の表記がない高反発マットレスは
その数値自体に自信がないのか、そもそも密度という知識がないのかのどちらかになります。高反発マットレスにとってはそれほど重要な指数ということになります。
下記の表はサイズをシングル、厚さを8cm~10cmくらいと仮定した高反発マットレスの個人的な感想と相場観です。
密度15-19D(kg/m3) |
耐久性が乏しいため、一晩の使用にも耐えられません。中にはこれで寝れる人もいるかもしれませんが、極端に体重の軽い子供や老人などに限定されるでしょう。
|
市場相場:5,000円以下 |
密度20-25D |
数日~数カ月で使い物にならなくなる密度です。短期的に使用する目的で安く済ませたい人には良いかもしれませんが、常用するマットレスとしては心もとないスペックです。 |
市場相場:5,000~15,000円 |
密度30D以上 |
高反発マットレスとして十分な耐久性を備えているといえます。ウレタンの材料構成やメンテナンス頻度にもよりますが、3年~10年の長期的な使用が可能です。
|
市場相場:5,000~90,000円 |
なぜ密度30D以上のマットレスばかりではないのか?
密度30D以上のウレタンを使えば高反発マットレスとして最低限の商品は出来上がるはず。ではなぜそれをしないメーカーが存在するのか?それは安くても高反発マットレスと言い張れば売れるまだまだ未熟なマットレス業界だからです。ウレタンの密度を上げようとすると、その製造価格は2倍3倍に膨れ上がります。また購入するユーザー側に、密度という概念が無い為、密度が低い上に
密度表記をしない高反発マットレスという詐欺のような商品が蔓延する結果となりました。密度が十分に足りているかは
第三者機関の証明書の有無で確認できます。
密度30Dを詐称する高反発マットレスも存在する
密度というのは簡単に言えば、ある一定の範囲内にどれだけ材料が詰まっているかなので、純粋なウレタン原料以外の安価な材料を混ぜ込んで30Dの密度に底上げしたり、または実際には15D程度の密度しかないのにも関わらず30D表記をする高反発マットレスも見られるようになりました。しかし、この安価な材料を混ぜ込んだウレタンを見破ることは困難です。既に使用しているユーザーのレビューを頼りにするしかありません。
高反発マットレスにはウレタンの厚みも重要
密度と共に大事なのが、ウレタン芯材の厚みです。ウレタンの厚みは密度と同じくらい「値段」と「耐久力」に影響を及ぼします。単純に使用する材料が増えるわけだから当然と言えば当然なんですが。
メーカーによっては販売価格を下げ価格競争に勝とうとするあまり「厚み」を削りすぎた高反発マットレスもあります。そういった高反発マットレスは耐久性と高反発マットレスの特徴でもある体圧分散を損なうことになります。
一般的に高反発マットレス一枚で底付き感なく成人男性を支えるのに必要な厚さは5cmです。横寝が多い方は7cm以上は欲しいです。この厚み以下だとどうしても肩や骨盤に底付き感を感じます。高反発マットレスのサイズ詳細には側地を含めた厚みなどが記載されている場合がありますが、ウレタン芯材の厚みだけで7cm以上あるものを選びましょう。
Point
「密度30D以上」「厚み7cm以上」のスペックが高反発マットレスには必要